千葉女子高等学校の演奏会にいってきました。場所は習志野文化ホール(モリシアホール)。天井が崩落した例のホールです。復旧はやい。ミューザ川崎はまだまだ大変だというのに。
今回2回目ですが、ラ・ヴァルスやチャイ4などかなりレベルの高い曲に取り組んでいて驚きました。話では幕張総合高校と並び県下でも1、2位を争う上手なオーケストラのようです。海外公演も積極的。楽器もメンバーも充実していて、ハープが2台とか大学オーケストラじゃなかなか実現できないフル編成です。
オープニングは美しく青きドナウ。最初はちょっと不安定さが感じられたものの、すぐにその作り出す音楽の温かみに心を奪われました。いい曲ですね。時の踊りは弦と木管がきれいにブレンドしていてとても良いサウンドでした。金管がほんとに丁寧に演奏するなという印象。1部最後は吹奏楽では有名なものの学生オケで演奏されることはなかなかないと思われる、ラヴェルの舞踏詩ラ・ヴァルス。リズムも構成もにょもにょして難しい曲ですが、きっちりかつ音楽的に仕上がっていました。もっと熱くなれても良かったかな。
第2部前半はOne Never Knowsという太鼓のアンサンブルと木管五重奏によるディベルティメント。二楽章が有名ですと書いておいて一楽章と四楽章を演奏するという。上手でした。後半は震災への追悼の意をこめてラフマニノフのヴォカリーズ。このオケはこういう曲が一番得意かもしれない。ぐっとくる内面的な気持ちの盛り上がりがうまく表現されてました。後半はOGオケによるカルメン組曲。弦は現役生の丁寧さに加え勢いが加わった感じで、とても上手だった。もうちょっと人数が充実してれば良かったと思う。管は、特に金管がとても不安定で聞いていてどきどきしました。
そして第3部、メインとなるチャイコフスキーの交響曲題4番。チャイコでも屈指の音符的に難しい曲をしっかり弾きこなしていました。すごい。冒頭の運命の動機はもうちょっと張った音色できてほしかった。金管は全体的に音量というよりも、もっと響かせる音色が出せればよいのではと思う。とても情熱的かつ丁寧で上手なんだけど、ときには本気で書いてマジと読むというような音楽も欲しくなるね。とくにこういう曲は。
全体的にうちのオケと比べても「しっかり弾いている」のが印象的だった。自信があるというか。もちろん掛けられる時間が違うけど、高校の部活ってすごいんだなぁと思った。全体として演奏技術もさることながら顧問の山岡先生の「音楽は気持ちが一番大事」という言葉通り、音楽に対する気概の伝わってくる素敵な演奏でした。最後の引退挨拶とか、高校時代に吹奏楽部にいたときの演奏会を思い出す。いいね。ああいう感動は高校生だけの特権だ。
ロビーコンサートもすごい人気。客席もほぼ埋まっていました。
スティックをかじるお姉さまの絵。階段にある謎のステンドグラス。
ちなみに千葉女子高校があるのに千葉男子高校はないそうです。なんで。
カテゴリー: MUSIC
3000円の安い席ですから。
すみだトリフォニー大ホールで行われたなにわOWの演奏会に行ってきました。吹奏楽の演奏会はほんとに久しぶりです。じつは昨日うちのオケもここで演奏してて、しかもそれにちょっと乗ってたのですが、なんか同じ舞台になにわがいるんだと思うと変な気持ちになりますね。
これが今日のプログラム。
マーのヘイって、ちゃんとティモシー・マーって書けばいいのに。笑
最初はパーカッションがうるさいというか、音量でけーというか、いろいろ感じましたがこれが吹奏楽なんだとはっと思い出す。アンサンブルはさすがで安定した音楽と吹奏楽のみずみずしい音色を十分に楽しみました。やっぱり中低音が充実(バス2本にチューバとユーフォとバスーンも各3本。すごい!)しているのが大きいですね。あとはラッパセクションが本当にすばらしく、パーンと上に向かった響きでとても心地よい音色でした。しかしオーケストラと違って吹奏楽は管の壁が(位置的にも、オーケストレーション的にも)あってなかなか浮かび上がるようにはいきませんね。そのふわふわした感じが楽しいといえば楽しいのですが。いやでもほんとにタフで素敵なラッパの方々でした。ソロかっこよすぎです。いいなーあんなふうに吹けるようになりたい。
なにわの醍醐味でもある課題曲の実験演奏ではマーチをオケ配置で・・というか打楽器含め各楽器が放射状に列を作って演奏したり(これはなかなか良い響きだった)、課題曲のオプション楽器だけでマーチをやったり(これは・・面白いけど切なくなりますね)なかなか興味深かったです。『Ⅴ「薔薇戦争」より 戦場にて』はさすがに指揮者ありでやってましたね。なんだあの映画音楽は。あと課題曲ではないですがアルヴァマー序曲は本当にすばらしかった。あんなにいい曲だったのかと。涙がでそうになりました。そして続けて演奏された14人超小編成高速コンクールカット版(笑)のアルヴァマーもすごく楽しかった。まぁ思ったより音楽的な速さでしたけど。バスにシンバルくくりつけて同時演奏したり誰でも真似できるわけではないですが、吹奏楽小編成の可能性を感じさせるものでした。しかしアルヴァマー聞くと高校時代がいろんな匂いとともに蘇ってきますね。
今回も丸谷先生の軽妙な司会進行で進んでいき、随所に笑いのある「なにわ」らしい演奏会でした。遊べるプロってかっこいいですね。来年は東京公演はないとのことで残念ですが、満員御礼の楽しいコンサートだったので機会があればぜひまた聞きに行きたいです。次は第1行進曲「ジャンダルム」とかやってくれないかなぁ。なにわにぴったりな曲だと思います。マーのエンデュランスとかも聞いてみたいですね。
東北の地震チャリティーで団員の私物やグッズを売るコーナー。ぜひ見たかったが混みすぎて無理でした。やっぱり高校生多い。
休憩明けにこれやったのには吹いた。
今日は最後のプレゼンテーションがありました。ほんとに居心地が良いこのクラスとも別れが近いと思うと切ない・・ですがまだあまり実感はありません。でも別れたあとに気づく存在の大きさはいつものこと。残りの時間を大切にしようと思います。
しかしパワーポイントや映像を使ったプレゼンテーションというのは機材的な面でのトラブルが多くやっぱり好きになれない。便利ではありますが、とにかく念には念を入れた準備と最悪口だけで満足のいく説明ができるぐらいの準備が必要です。
ランチはイレクティブクラス(本の編集・出版)の打ち上げでCELOPのすぐ近くにあるタイレストランへ。とてもおいしかったけどガーリックが強すぎていまだにくさいから困る。
<ボストンポップス・ホリデーコンサート>
そして夜はかねてから行きたかったボストンポップスのホリデーコンサートへ行ってきました。
ボストンポップスはボストン交響楽団のメンバーが主体となって夏と冬のオフシーズンだけ結成するオーケストラで、毎年この時期にはホリデーコンサートを開催しています。その歴史は古く設立は1885年。現在もなお広く愛されるルロイアンダーソンの作品を世に広めたのもこのオーケストラです。タングルウッド音楽祭やジョンウィリアムズが常任指揮者を務めていたことでも有名です。
ホリデーコンサートは普段のコンサートとは雰囲気が全く違います。一階のイスは取り外されテーブルが並び、軽食を食べながら演奏を楽しむことができます。ウエイターがいるコンサートホールというのは日本ではおそらく経験できないでしょう。
ホールはクリスマスデコレーションが施されるだけでなく、さまざまな演出装置が登場。曲はすべてクリスマスにちなんだもので、巨大スクリーンをつかったナレーションと音楽のコラボレーションなどもあります。途中サンタも登場。
なんだかこう書いていると子供向けコンサートのような感じですが、ワインなど飲めることもありお客さんはほとんどが大人です。特におじいちゃんおばあちゃんが多いです。クリスマスを心からみんな楽しんでいる感じがいいですね。こんなイベントが毎年あるなんて素敵だ。
アンコールも盛り上げてしっとり終わらせるという常套手段でしっかり魅せてくれました。今日は当日券20ドルの席でしたが、次こそはテーブル席でのんびり楽しみたいと思います。
クラシックに興味がない方でも十分に楽しめるコンサートですので、ボストンにクリスマスに来た方にはぜひオススメのイベントです。アメリカのこういう文化はとても好きです。
演奏会の様子を少しですがどうぞ。おなじみの曲です。
そりすべり – ルロイアンダーソン 指揮:キース・ロックハート(BPO常任指揮者)
気づけばサンクスギビングホリデーも今日で終わりです。早い早い。
今日はチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」をみてきました。場所は前にウィキッドを見たところと同じダウンタウンにあるボストンオペラハウスです。前々から一度は見たいと思っていたのでかなり楽しみにしてました。当日販売の学生チケットを20ドルで購入。
会場内はすっかりクリスマスの雰囲気。くるみ割り人形はバレエ公演・組曲演奏ともにアメリカのクリスマスの風物詩(日本の第九的な?)で全米各地さまざまなところで行われているようです。今日も家族連れが多くとてもにぎやか。
バレエは演出がとても幻想的で、まさにアメリカの伝統的クリスマスのイメージそのものでした。ファミリー向けの笑いのあるファンシーな演出と、しっかりと魅せるシーンのコントラストが絶妙で最後まで飽きることなく楽しめます。場面変化の美しさはやっぱり劇場芸術の醍醐味ですね。そして子役がいっぱいでかわいい。羊のきぐるみが着心地よさそうでした。
超軽快に踊るくま。
あとはお菓子の国でクララと王子が「アラビアの踊り」に始まる世界各地の踊りを観賞するシーンはやっぱり見ものです。ロシアの踊りが曲も踊りもかっこよすぎる。
すばらしい演奏を聞かせてくださったオケピの皆さん、を撮ろうと思ったのにもういない。仕事が終わったら即退散です。さすが職人。譜面を照らすランプがかっこいい。
しかしくるみ割り人形は何度聴いても楽しい。改めてチャイコフスキーの偉大さを感じました。20ドルでこんな経験ができてしまうアメリカ、やっぱりすごい。
バレエが終わった頃には日が落ちかけてました。ボストンの空気はすっかり冬の匂いです。
昨日は夜にボストン響のオープンリハーサルを聞いてきました。こっちはチケットが本当に安い。送料含め20ドルちょっとでした。ただ早稲田の国際教養からBUにきている学生は学校の援助?でフリーだったようでうらやましい限りです。
建ってから130年ほど経つというボストンシンフォニーホール。
プログラムはMarcelo Lehninger指揮でサミュエル・バーバーの序曲「悪口学校」、ベートーベンのバイオリン協奏曲、チャイコフスキーの交響曲5番でした。
演奏はリハながら感動的。とにかくチャイ5がすごかった!!まさにアメリカのオケという感じのブラッシーに響かせるブラス、芳醇な低弦のサウンドと何もかも初体験でした。ホールの響きも潤沢で、各セクションの音が浮き上がるように立体的に聞こえてきたのが印象的。みずみずしい2楽章のホルンソロ、ここぞというときのチューバとボーンセクションの分厚いハーモニーもしびれました。とにかくメリハリのある音楽づくりでとても良かった。こんなのが日常的に聞けるなんて本当にすごすぎる。リハながらスタンディングオベーションもちらほら。
やっぱりチャイ5は構成が本当にわかりやすいです。またメロディーも申し分ない美しさ。聞いていて本当に楽しめる曲だと思います。また演奏したいなぁ。
序曲「悪口学校」は初めて聞きました。弦楽のためのアダージョで有名なバーバーの初めてのオーケストラ作品とのことです。絢爛なオーケストレーションと美しい旋律で非常に楽しい作品でした。バイオリンコンチェルトは・・ソリストの方もすばらしかったのですが・・授業の疲れがそのタイミングに来てしまい・・もったいないことをしてしまった。すばらしいテクニックだたのですが、ちょっと印象の薄い音色だったような気がします。良かったのですが。
やっぱりオケは楽しいです。たくさんの老夫婦が聞きにきていて、みなさん本当に幸せそうだった。こんなすばらしい芸術が気軽に楽しめるボストンはなんて幸せな環境なんだと思います。ウィーンに行った友達が言うにはヨーロッパはもっとすごいらしいですが。ぜひまた聞きにきます。
リハーサルなので団員のみさんは私服です。このフランクな空気がまたいい。
<イタリアンな夕食>
今日のカフェテリアはテーブルクロスがあったりいつもと雰囲気が違う。実はイタリアンレストランからシェフがきてそこと同じメニューとのこと。なんて太っ腹な。
ただパスタは超おいしかったけど、何もかも超混んでいました。
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