サイゼリヤのサーバー(ウエイター)のバイト経験がこんなとこで役に立つとは。
こっちの学食(カフェテリア)は前の記事で書いたとおり、セルフサービス式の取り放題です。ほとんどの大学生は主食!全部食べたらサラダ!終わったらデザート!って感じで何度も往復するのですが、食堂はかなり広くけっこうめんどくさい。あとやっぱり日本人だからひととおり揃えてから「いただきます!」したいという気持ちがある。
そんなとき左手にメインとサラダにデザート、右手にドリンク・フォークというサイゼリヤスタイルで運べば一回で済み非常に便利なわけです。まさかこんなところで役に立つとは思わなんだ。しかしどうもこの持ち方がめずらしいらしく、「そうやったらそんな皿が載るんだい!」と声かけられたりします。ちょっと恥ずかしい。
アメリカの大学への留学を考えてる人にはサイゼリヤ、いいバイトです。笑
しかしアメリカの大学生の食べ物に対する考え方は日本人とは大きく違う気がします。全て多めに盛って、余ったら捨てればいいという感覚。調理する人もばしばしこぼす。そして常にある食べきれないほどのサラダやフルーツたち。こんなとこでずっと生きてたら貧困の「ひ」の字も考えられなくなってしまいそう。
もちろん非常に高いミールプランの代償と思えば当然の潤沢さなのかもしれないですが、なんのためらいもなく残す人たちを見ているとちょっと気分が悪い。この「もったいない」という感覚は日本独特のものなんだと思います。いつも調子にのって取りすぎ、がんばって全部食べてる僕もあほですが。
日本の大学を卒業した韓国人の友達がいるのですが、日本で生活していると「もったいない」という気持ちがはたらいて食べ物を残せなくなったと言っていました。日本から離れると戻ってしまったらしいですが。やっぱり環境で人の心は大きく変わるんだなぁと実感。
月別: 2010年9月
CELOPの授業が今週から始まった。コアクラスという午前中の授業だ。午後にある自由選択のイレクティブクラスは明日から始まる。
授業をする校舎は寮から歩いてだいたい10分~15分ほど。だいたいというのは教室が毎日キャンパス内を転々とするからだ。日によって遠かったり近かったりする。キャンパスといっても街中なので校舎を探すのが大変である。まぁある意味気分が変わって良いのかもしれない。
自分のコアクラスはビジネス英語を学ぶもの。全部で18人ほどで日本人は僕ひとり。ほかには中国や韓国に台湾、ベネズエラ(多い!)やイタリアにサウジアラビア・ドバイなどなかなかバラエティに富んだ国籍の人が集まっている。
授業の目標としては基礎的な文法のマスターとビジネス用語の学習、ディスカッションやプレゼンテーション通してグローバルなビジネス視野を身につけるといったかんじ。なかなかてんこ盛りである。先生は2人で曜日によって変わるが、発音のきれいなとてもいい方々だ。
今日の授業では昨日に続きブランドがテーマだった。ブランドの価値とは何かという話から、なぜブランドが重要なのか、というようなディスカッションを行う。自分の持つイメージを伝えるツールとしてのファッションもまたブランド化なんだということで、いろんな人の服装について触れる中「日本人はみんなそんな格好よね」というようなことを言われる。こんな適当な格好なやつは早々いないと思う。はずかしい。どうやらTシャツにフード付きパーカーっていうのは”いかにも日本人ぽい”格好らしい。アメリカ人は絶対しないと。そうなんだ。
それにしても「自分自身」もまたブランドであるという話のあたりも含め、キャリアデザイン学部で受けた佐藤 恭一先生の「ブランド論」とテーマがそっくりでした。まぁトヨタに始まりSONYやらナイキやら日本のブランドが多くの国籍の人に共有されているのはやっぱりうれしいです。
教室の様子。
では学生のレベルはどうか。(英語力はもちろん僕意外みなさんすばらしいです。特に非アジア圏の方々はかなりしゃべれてます。それ以外の点で)人のことを言える立場ではないけど、かなり幅があるなという感じ。ベネズエラの学生なんかは大学入学前の留学ということで、年齢も18~と非常に若い。見た目はグラマーできれいなねーちゃんだが、ちょっと幼い面がある気がする。一方社会人経験者の方もかなりいて、なかなかするどい意見を言う方々もいる。とくに40代と思われるコロンビア出身の社会人男性は英語も本当に上手で、クラスの議論レベルを底上げしている感じだ。USの大学や大学院への進学を前提に学んでいる方も多く、概して意欲が高い。またサウジアラビアからきている仲良くなった学生は18歳にしてサウジアラビア2位の石油会社の社員で、なんと会社のお金でCELOPに来ているという。しかも20万を越す給料をもらいながら!これにはびっくりしてしまった。実感としては、かなりばらつきがある感じです。
あと意外だったのは春や夏のタームから続けて学んでいる人がかなりいるということ。それだけこの学校が居心地がよいのだろう。あとはお金持ちが本当に多い。親が社長は当たり前。まぁそんなとこに日本の普通な学生がたくさんいるのも、日本の中流層の所得がそれだけ高いということだろうけど。日本は他の国に比べれば、本当に格差の少ない国だと思う。
とりあえず授業はなかなか楽しい、です。
ランチのあとはCELOP引率のトロリーツアーにフロアメイトたちと参加しました。
(トロリーツアーのホームページ。開くと変なおっさんがしゃべりだすから注意)
このお姉さんが運転しながら!ペラペラと楽しいガイドをしてくれます。理解度50パーセント。
トリニティ教会の前の広場。2回目。みんなで写真とった。
USSコンスティチューション号近くのドック。2回目。みんなで写真とった。
チャーリー川。2回目。ヨットがたくさんいて気持ちよさそうだった。
ほかにもMITとかボストンの名所を駆け足で回る。停車時間は短くほんとに写真とるだけ。まぁぜーんぶ2回目だからいいんだけど。
ボストン大へ帰着。しめて2時間ぐらいのツアーでした。みんなではしゃいで楽しかったけど、観光で来た人にはおすすめしないなぁ。停車時間が短すぎる。
このあと大学で自主参加の発音セミナーがあったので参加した。CELOPだけでなく、学部生もちらほら。しかしほんとに発音は難しい。セミナー後ネイティブの先生に聞いて初めてgirlの発音がわかった&それっぽくできたときには感動!日本人にはどうしても「ガール」と2音節イメージがあるのと、rlの舌の動きをなかなか理解できないので非常に発音しずらいのです。
帰りにアジア食品がたくさんあるスーパー88へ。超級市場ってなんかすごい。
しょうゆのこの充実っぷり!
これが飲みたかった。こっちの清涼飲料はほんとうにおいしくない。2本で3ドルということはレートを考えると日本のコンビニより安い?
今日の夕食。こんなんばっか。しかしサラダバイキングの充実はすばらしいの一言です。ビッグボーイの3倍くらいすごい。
日差しが強いボストンの夕暮れ。
まさかアメリカに来て2週目にして英語で政治論議をするはめになるとは。
今日はボストン大に通う中国人の男の子に誘われて、彼の部屋でアキラ(大友克洋原作の映画版)を見た。中国人とは言っても高校からアメリカで暮らしているので英語はペラペラである。(しかも非常に明瞭で聞き取りやすい。)ほかに同じ寮に住む法政からSAで来ている男の子も一緒に楽しむ。
アキラは初見だったけども、示唆に富むディープな作品であった。ネオ東京という、巨大な力で破壊しつくされた現代東京のあとにつくられた人口都市を舞台にした近未来SFである。
鑑賞後、彼は開口一番「未来の日本みたいじゃないか」といった。「現在の日本もリセットが必要だ、ということを伝えたいんだと思う」というのが彼の考えだった。日本人はエヴァンゲリオンみたいなバーチャル世界を作り上げたりするのが得意だよなぁ、外国人こういうのほんと好きだよなぁ、なんて漠然と考えてた僕は目を覚ます。「え、なんで?」そしてそして、だんだんと政治的な話になっていくのだが、なんにしても彼の見識が非常に深い。
彼の専攻は国際関係学・政治学であり、特にアジア各国について詳しく、日本の歴史についても生半端の日本人学生よりよく知っている。島原の乱なんて言われるまで忘れていた。
彼が言うには、日本はBureaucracy(官僚主義的)な政治を一度捨てなければ永遠に今の悪循環(首相がころころ変わり何もできない)から抜け出せない。要するに自由民主党のやってきたやり方で、彼が考える改革にもっとも近いリーダーは小沢一郎氏だという。またどんなに政治手腕があろうと、こうまですぐにトップが変わっていては何もできないとも強く言っていた。(これは本当にそう思う。)アメリカはすぐには変えられないシステムになっているとのことで、確かに日本は民意のふらつきが直接的に影響しすぎてる気がする。
そんな話から、話題はアジアの将来の話へ。彼は中国や韓国のプロパガンダ的な反日教育の悪い側面をしっかり見つめつつも、なおもまずは日本の謝罪がアジア協調のためには必要なのではと考えているとのことだった。正直、自分も含め日本人は中国や韓国の人々に比べて謝罪の必要性というよりも謝罪そのもの、ひいては過去の歴史問題そのものについて深く興味をもっていない。竹島問題しかりであるが、靖国参拝になぜあれほど中国や韓国が反発するのか、そしてなぜなおも日本として戦犯といわれる人たちを祭り続けなければならないかを真剣に考えたことのある日本人がどれほどいるだろう。ここにある温度差をどう捕らえるか。
正直、自分としては政治的および経済影響的な意味での謝罪の必要性は感じない。そもそも判断に足るほどの知識をしっかりと持っていないのは事実であるが、民間レベルでの経済協力その他に及ぼす影響は数十年というスパンではほとんどないと思うからである。もちろん他国に及ぼしてきた自国の歴史について著しく関心が低いことは、人と人との協力関係にあって悪い影響しかないであろうから、まず改善せねばならないとは思う。ただそのスタートに謝罪は位置しないと考える。(人と人との感情という観点からの問題解決を目指した場合、謝罪の意味を現実に照らし考え直し、そのほかの手段も含めて少しでも歩み寄れるような解決策を一人でも多くの人が考えていかなければならないとは強く思うが)
僕は今まで個と個の人間関係と歴史問題・国のスタンスは完全に別というような漠然とした考えを持っていた。それはおおよその場面では当てはまる。しかし議論をしているとやはり日本人としての誇りというか、国としての歴史にはぐくまれた価値観を背負って話していることに気づく。それは相手も同じことなのだ。国際化する社会で生きる以上、自分自身の十分な知識に基づく国際的スタンスが求められる。こっちに来て2週間、アメリカに対してどうか。USの人々はみな暖かい人々ばかりである。開放的、寛大な人柄はとても好きだ。しかし国家としてのアメリカに対してどう思うかという問いに、傲慢というイメージは拭い去れず、正直一貫したスタンスを保てる自信はまだない。
彼は江戸幕府や明治政府の政策だけでなく学生運動までも知っており、過去の歴史を通して今の日本のあるべき姿、目指すべき未来を自分の視点で熱く語っていた。中国の高齢化問題などは自分にとって新しい知識であった。このままの閉鎖的な意識では日本はいずれ大きな壁にぶつかる、というのは同意見である。国民が本当に、国際化の真の意味を考える時期にきているだろう。しかし、ひいては中国、アジア全体のため何をすべきかを真剣に考える彼の姿に、専攻が違うとはいえ自分の知識のなさになんとも恥ずかしさを感じてしまった。
そして何よりも英語力。言いたいことが伝えられないもどかしさ。議論するにまったく足らない自分の実力にはほんとにがっかりした。明日からCELOPのビジネスクラスが始まる。がんばらねば!
こっちに来て驚いたのが、学食が食べ放題であることだ。ほかのミールプランもあるのだが、基本的にみんな食べ放題を選ぶ。学生証にデータが入っているので、入り口でリーダーに通し入場するシステムだ。入場後は取り放題、食べ放題。ほかにダイニングポイントというお金と同じ感覚で使えるデータも学生証に入っており、大学内のスタバやピザのデリバリーなどでそのポイントを使うことができる。あとはチャージのできるコンビニエンスポイントというのがあり、近くのコンビニや本屋で利用ができる。さながらEdyやnanacoのような感覚だ。学生証さえあればお金がなくとも生きているというのはなかなか便利だ。
いやしかし、それにしてもカフェテリアの充実がはんぱない!これには日本と違いアメリカはほとんどの大学が寮制であり、すべての食事をカフェテリアでとるというところに理由があるのだろう。(もちろんキッチンもあるので、自炊はできなくはない)営業時間も朝6時から夜9時までと非常に長く、コミュニケーションの場としても活用されている感じだ。みんな学校から徒歩数分のところに住んでいて夜まで集まってられるというのは、日本の大学生からするとほんとに神のような空間である。
いくつかある中で一番でかいウエストキャンパスのカフェテリア。寮から10分ほどのところにある。
世界各国のバラエティに富んだ料理から自由に選べる。種類がありすぎて困るほど。
だいたい毎日あるピザ。
自分でワッフルをつくる機械。
目の前で調理をしてくれる。これは確かドイツのトラディショナルたべもの。
ありすぎなフルーツたち。アメリカンはなんかリンゴかじったりしてる。マネできません。
ちょっとヘリオスに似てる?
バニラシェイクから牛乳、ペプシまでありとあらゆる飲み物がある。あまーいのが多い。
デザート。これがまた重い。
<ちなみに今日の食事>
朝食。マフィン。
昼食。ターキーといんげん豆。デザートはクレープ。
夕食。ドイツのハンバーガーとシーフードパイ?とローストビーフ。ベイクドポテトがおいしかった。
以上。はい、確実に太ります。幸いにもボストン大にはアメリカでも屈指のフィットネスがあるので、がんばれば?大丈夫です。温水プールとかもあるらしい。
しかし今日ランチタイムに話しかけてきて一緒に食べた(こんなこと日本じゃないよね)1年生のアメリカンボーイも「毎日こんな料理はきついよな!」って言ってた。明らかにカロリーオーバーな食事たちが常に食べきれないほどある空間。アメリカの豊かさとともに、ちょっと変な恐怖感を感じてしまう。この感覚は忘れたくない。
CELOPのオリエンテーションも終わり明日はいよいよクラス分けのテストです。オリエンテーションは電車とか身のまわりのものを買うのに安いお店とかいろいろ役立つ情報を教えてくれたんだけど、いかんせんちょっと遅い。どうせならもっと早く知りたかった。すでにここに来て一週間、なんだかんだ手探りでどうにかなるもんです。
夜は部屋が近い中国とベネズエラ、ルームメイトの韓国の学生でいろいろ話した。驚いたのは僕以上に日本のアニメについて詳しいこと。ブリーチとかワンピースとかデスノートはわかるが、なんかいろいろ知らないアニメの話を「これ知ってる?」って聞かれて困った。しかも別に彼らはオタクなわけでもなんでもなく、当たり前のようにみんな知ってるというのだ。まじですか。
そして何より驚いたのは「超おもしろいんだよ!」とこの動画を見せられたことだ。
これを4人で見て大爆笑した。ちょくちょく出る日本語感嘆詞の解説を求めるものの、雰囲気で意味はしっかりつかんでいる。笑いのエッセンスっていうのは万国共通なんだなぁ。日本は海外のお笑い番組なんか見ないのに、すごい。
そして・・彼ら3人の両親はみんな航空会社やらゼネコンやら銀行やらの社長もしくは重役だったりしてまたびっくり。CELOPにくる学生はお金持ちが多いってのは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。驚きである。
まぁ、ともあれみんないいやつです。これからが楽しみ。
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