匿名でないfacebookは日本で流行るか?SNSの使い方を考える

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Facebookが日本でも流行りはじめていると言われている。

Facebookでは5億人以上のアクティブユーザーに加え、わずか20分間に写真のアップロード・友達申請の認可・メッセージの送信が200万回以上行われているという。アメリカ留学を通して本格的にFacebookを使い始めたが、まさに世界規模のSNSであることを肌で感じさせる。1つのページから世界中の人々の感情だけでなく、あらゆる企業や組織の情報がリアルタイムでつながっている。
よくmixiと比べられるが、本質的に違う存在だと感じる。mixiは日記や写真など出したい情報を「選んで」、かつ最近はとくに「選んだ人々に対して」出していくスタンスなのに対して、Facebookで発信される情報の大半はもっとオープンである。世界中のWebサイトにある「Like!(イイネ!)」ボタンを押せば、その人のステータスに○○さんが○○をLike!しましたと表示される。誰かの日記や写真、ニュースにコメントをすればそれもまた自身の活動としてウォールに表示される。「何に対してどう思ったのか、何を言ったのか」というネット上での自然な行動が、自身のウォールに勝手に統合されていくのだ。そこには「今までの私」という目に見えない意思そのものが蓄積されていく。そして自分に関わりのある人々のあらゆる行動・発言もまた、自身のニュースフィードから一覧することができる。
またmixiと比べて特に便利だと思わせるのが写真のタグ付け機能である。写真をアップロードすると、顔を自動的に認識し、クリックして友人の名前をタグ付けすることができる。この一連の操作をするUIがとても優秀なだけでなく、アップロードした友人がめんどくさがりであれば写真に自分でタグ付けをしてしまうこともできる。そしてタグ付けされた写真は、○○の写っているフォトとしてニュースフィードに情報が流れ、それ以降プロフィールページから誰でも見ることができる。これは写真共有のあり方を大きく変えたと思う。もちろん、自分のプロフィールからリンクさせたくない写真であれば、その写真のタグを自分で取り除くことができる。
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写真のタグ付け

つまり何かイベントがあったあと、それぞれが撮った写真をアップロードしてタグ付けさえすれば、あとは自身のプロフィールページからあらゆる人がとった「自分の写っている写真」を簡単に一覧することができるのだ。アップロードした写真を人に教えたり、その中から自分の写っている写真を探したりという手間が全く必要なくなる。写真の共有がワンストップで行え、お互い余計なことに神経を使う必要がなくなるのだ。多くの人にとって理想的な写真共有のあり方だと思う。(ただデフォルトの圧縮されたデータだとあまり画質が良くないので、ほんとに欲しい画像は結局本人にお願いして送ってもらうのだが。まぁこんなこと気にしてるのは僕ぐらいだろう。)
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さて、これほど便利なFacebookは日本で本格的に普及するか。
結論からすれば、今すぐではないにしても必ず普及すると考える。おそらく数年内に必ず日本人ユーザーの急激な増加があるだろう。ただ時間はかなり要するはずだ。普及に時間が掛かると考える理由は2つある。
一つはネットに匿名性を求める気質がまだまだ日本人にあること、もう一つは日本人だけのつながりに面白さを感じられるほどボリューム層が一般に広がっていないということだ。
匿名性の問題は長く語られているが、自分の考えとしては近い将来SNSは否が応でも匿名では利用できなくなると思っている。というのはmixiであってもツイッターであっても、結局「自身を特定する要素を完全に排除することはできない」と考えるからだ。一部の人にだけ公開したいという意味で、公開範囲を著しく狭めたり非公開コメントとするなどを行う人は多いが、周りの些細な情報から特定できる可能性は非常に高い。またネット上にある以上、コピー&ペーストという簡単な操作で自分の手の届かないところにその情報がいくこともある。そうなってしまったら打つ手はない。つまり本当に見せたくない人がいる情報はネット上に公開しない、とするしかネット時代を生き抜く方法はないと言えるだろう。
ちょっと抽象的になりすぎてしまったが、具体的にはツイッターでいくらコメントを非公開としたとしても、フォロワーからコミュニティは推測できてしまうし、リツイート(非公式)でもされれば返信内容から情報が漏れる可能性は高い。そう考えると、非公開の意味は何だろうと思ってしまう。
ここに多くの人が気付いていき、結局現実の自分とリンクさせていくしかないという考えに至ればFacebookを本格的にはじめる人は一気に増えるだろう。日本人同士で楽しむボリューム層が増えれば、2つめの問題は問題ではなくなる。あとは爆発的なブームがあるだけだ。
mixiに広いファン層がいるのは、その高い閉鎖性(プライバシーの高さ)にあると思う。そういった点で世界のSNSとは相容れる。しかし逆に考えれば、そのメリットはmixiにしかないわけで、一部の層にはこれからも高く支持され続けるだろう。ただ将来性はあるかというと、甚だ疑問だ。
ネット上と現実の自分の一体化はますます進んでいる。というか分けることができなくなったといったほうが正確だろうか。インターネットの匿名(に近い)コミュニティはなくなることはないだろうが、SNSを匿名で利用するのは難しい時代になったと思う。現在Facebookを利用している人は、自分と同じように海外の人と交流するのがメインであるという人が多い。しかし近い未来、日本におけるFacebookの位置付けは大きく変わり、想像もできないほど重要なものになっていくだろう。そしてネットの影響力は、誰も無視できない、未だかつてないほど大きなものになる。
しかし次の問題としてFacebookが一般化すると、その現実との関係の深さゆえに、ネット上に出す情報で自分のプレゼンスをどう高めるかということを意識せざるを得なくなる。これもまた難しい問題で、SNSを楽しく活用するためにも、しっかり考えていかなければならないと思う。
(これがまとまらないゆえに、ツイッターやこのブログ、Facebookでの情報発信スタンスが決めきれないのも事実です。自分自身も試行錯誤の真っ只中です。)

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